火星の衛星フォボスを調べる探査機 MMX が種子島から上がったのは、2026年10月20日の4時41分3秒でした。今日で9日目です。
では、次に日本からロケットが上がるのはいつでしょうか。今日の時点の答えは、「日付が決まっている便が1件もありません」です。当サイトが持っている「これから上がる予定」は15件ありますが、15件とも打ち上げ日が未定です。
この記事は、その「決まっていない」がどういう状態なのかを説明します。打ち上げが止まったという話ではありません。上の写真は種子島宇宙センターの吉信第2射点(よしのぶだいにしゃてん)で、ロケットは立っていません。
次に上がる日は、まだ1件も決まっていない
15件を「いつ上がるかが、どこまで決まっているか」で分けると、こうなります。
| どこまで決まっているか | 件数 | 中身 |
|---|---|---|
| 日まで決まっている | 2件 | 2028年3月3日(探査機 MBR Explorer)、2028年4月20日(DESTINY+ と RAMSES) |
| 月まで決まっている | 1件 | 2028年11月(太陽を観測する衛星 SOLAR-C) |
| 年の前半までしか決まっていない | 2件 | どちらも2027年の前半 |
| 年だけ決まっている | 10件 | 「2026年内」「2027年内」「2028年内」 |
合計15件です。何時何分まで決まっている便は0件で、いちばん近いところで日付が入っているのは1年4か月あとの2028年3月3日です。
射場で分けると、12件が種子島宇宙センターの吉信第2射点(上の写真の場所)、2件が鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所、1件が北海道の大樹町で整備が進む新しい射場 LC1(発射場全体が使えるようになるのは2026年度末の予定。10月17日の記事で書きました)です。和歌山県のスペースポート紀伊から上がる便は、15件のなかに1件もありません。
「2026年内」と「10月20日」は、決まり方が違う
15件のうち2件は、いちおう「2026年内」に入っています。イプシロンSロケットで衛星 LOTUSat-1 を上げる便と、H3ロケットで技術試験衛星9号機(ETS-9)を上げる便です。
ただしこの「2026年内」は、年しか決まっていないものを、とりあえず12月31日に置いているという意味です。「12月に上がる」でもなく、「年内に上げると発表された」でもありません。
MMX の「10月20日4時41分3秒」とは、決まり方がまったく違います。あちらは秒まで発表されていて、見に行く人が予定を組めました。いまの15件は、どれもその段階に入っていません。
JAXA の公式サイトにある「打上げを予定しているミッション」というページを10月29日に見ると、載っている12件に付いている打上げ予定の区分は「2026年度(令和8年度)以降」の1つだけで、個別の日や月は書かれていませんでした(このページは「2026年6月12日現在」と書かれています)。このページと当サイトの数え方の違いは10月23日の記事で扱ったので、ここでは繰り返しません。
ひとつ注意があります。「次に上がるのは H3 だ」とは、この15件からは言えません。和歌山から上がるカイロスロケット4号機は LL2 に登録がなく、15件に入っていないからです。スペースワンの発表を10月29日に見た時点では、4号機の打ち上げ日は出ていませんでした。
年内にもう1回あるのか
先にはっきり書きます。これは予報ではありません。 当サイトは「打ち上げの日程が何日前に発表されるか」「年内にもう1回ある割合」の実測値をまだ持っていません。下の数字は過去にそうだったという記録で、2026年の見込みではありません。
2014年から2025年までの12年で、その年の最後の国内打ち上げが11月1日以降だった年は、12年のうち8年ありました。残りの4年(2018年・2019年・2022年・2023年)は10月までで打ち止めでした。
2026年はここまで4回で、成功3・失敗1です。最初が3月5日、最後が10月20日の MMX でした。つまり「11月や12月に上がった年はめずらしくないが、上がらなかった年もある」というところまでしか、いまの手持ちでは言えません。
打ち上げが無い間に行ける場所
打ち上げを見に行く予定が立てられない時期ですが、宇宙機を作っている現場そのものが開く日が、2週間後にあります。
JAXA宇宙科学研究所の「JAXA相模原キャンパス特別公開 2026」です。現地開催は2026年11月7日(土)10時〜16時、オンライン開催は11月8日(日)10時〜16時(予定)とされています。相模原キャンパスは、当サイトの9月25日の記事で書いたとおり、MMX の管制室がある場所です。
現地の入場は事前WEB予約制・無料で、定員は6,000名の先着順です。予約の受付は9月1日正午から始まっていて、イベントの予約は10月1日正午から(入場予約番号が必要)と書かれています。14時以降は予約なしで入場できると書かれています。空き状況は確認していないので、行くなら公式ページで今の受付状況を見てください。
日付が決まったら、どこに出るのか
打ち上げ日は、便によって、出るところが違います。
- JAXA が関わる便(H3・イプシロンSなど)は、JAXA のプレスリリース。10月29日に見た時点の最新は10月21日で、それ以降の新しい掲載はありませんでした
- 和歌山から上がるカイロスは、スペースワン
- 北海道から上がる ZERO は、インターステラテクノロジズと SPACE COTAN
- 当サイトの打ち上げ予定表。上のどこかで日付が出たら、ここの15件の「未定」が日付に変わります
いまできることは3つです。
- 旅行や宿の予約は、まだ動かさない。 15件のうち、日付が入っているいちばん近い便が2028年3月です。年内に見に行く計画を立てる根拠は、今日の時点ではありません
- 11月7日の相模原キャンパス特別公開を、行き先の候補に入れる。 14時以降は予約なしで入場できる、と公式ページに書かれています
- 打ち上げ日の発表は、JAXA のプレスリリースと打ち上げ会社のサイトで確かめる。 当サイトでも、日付が決まり次第お知らせします
最後に、書けなかったことを1つ。北海道の ZERO については、インターステラテクノロジズのニュース一覧を10月29日に2回開こうとしましたが、記事の一覧が表示されず中身を読めませんでした。ですので「ZERO の新しい発表は無い」とは書けません。読めたのは SPACE COTAN 側の発表だけで、そこに ZERO の打ち上げ日はありませんでした。