ロケットを見に行こうと決めたあとで、いちばん困るのが「延期」です。宿も飛行機も押さえたのに、前の日になって日程が動く。これはめずらしいことではなく、打ち上げというものの性質です。
なぜ動くのか、いつ決まるのか、どう備えればいいのかを順に書きます。
動く理由は、だいたい3つ
1. 天気
いちばん多い理由です。地上の風、上空の風、雷雲。ロケットは重い荷物を積んで細長い姿で飛ぶので、横風に弱い。雷は電気系に直接の危険があります。「晴れているのに延期」もよくあります。地上が晴れていても、上空10kmの風が強ければ飛べません。
2. 機体や地上設備の不具合
カウントダウン中にセンサーの値が想定と違う、バルブが動かない、といったことが起きると止めます。止めるのは正常な動作です。無理に飛ばして失敗するほうがはるかに損害が大きいので、少しでもおかしければ止めるようにできています。
3. 海や空の状況
打ち上げの経路の下に船や航空機がいると上げられません。危険がないことを確認してからでないと飛ばせないためです。
「予備期間」があらかじめ用意されている
打ち上げが発表されるとき、日時と一緒に「予備期間」も出ます。たとえば10月20日に打ち上げるMMXは、10月21日から11月7日までが予備期間として設定されています。
いつ決まるのか
段階があります。
- 数か月前:「この時期に打ち上げます」(年内、◯月ごろ、など)
- 1〜2か月前:日にちが決まる
- 数日前〜前日:時刻が秒まで決まり、実施の判断が出る
- 当日:カウントダウン中でも止まることがある
このサイトの打ち上げ一覧には、それぞれの回が今どの段階かをバッジで出しています。「年内」としか書かれていない回に宿を取っても意味がないので、日にちが決まってから動くのが基本です。
旅行の予定はどう組むか
現地で見るつもりなら、次の3つを押さえておくと痛みが小さくなります。
- 前後に1日ずつ余裕をとる。 打ち上げ当日だけの弾丸日程は、1日ずれた時点で全部むだになります。
- キャンセル無料の期限を確認しておく。 宿も交通も、いつまでなら無料で取り消せるかを予約時に見ておく。延期の連絡はその期限より後に来ることがあります。
- 「見られたら儲けもの」と考えておく。 種子島も内之浦も、打ち上げが無くても行く価値のある場所です。そう思っておくと、延期の連絡が来ても旅そのものは壊れません。
延期は失敗ではない
打ち上げが延びると「またか」と言われがちですが、延期はむしろ、危ないところで止められたということです。実際に飛ばして失敗すれば、機体も、何年もかけて作った衛星も失われます。
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