日本の打ち上げを「国内の射場から上がったもの」という切り口で全部数えると、何回になるのか。調べたので数字を置いておきます。
全体:152回中、失敗は22回
| 区分 | 回数 |
|---|---|
| 全打ち上げ | 152回 |
| うち軌道投入をめざした便 | 145回 |
| 成功 | 130回 |
| 失敗 | 22回 |
| 期間 | 1966年9月26日〜2026年8月10日 |
60年で152回。単純に割ると年2.5回ですが、実際には年ごとの偏りが大きく、直近10年は年1回から8回のあいだで動いています。
射場別:種子島に集中している
| 射場 | 打ち上げ | 成功 | 失敗 |
|---|---|---|---|
| 種子島宇宙センター | 99回 | 94 | 5 |
| 内之浦宇宙空間観測所 | 43回 | 33 | 10 |
| 北海道スペースポート | 7回 | 3 | 4 |
| スペースポート紀伊 | 3回 | 0 | 3 |
種子島が全体の3分の2を占めます。内之浦の失敗10回のうち多くは1960〜70年代のラムダ・ミューの初期で、当時は各国とも失敗が当たり前の時期でした。
北海道スペースポートの7回はすべてインターステラテクノロジズのMOMO、つまり弾道飛行の観測ロケットです。軌道投入の実績はまだありません(ZERO の初号機はLL2上で2027年内という登録になっています)。
スペースポート紀伊は3回すべてスペースワンのカイロスで、3回とも失敗しています。母数が3ではまだ何も言えない、というのが正しい読み方です。
機体ファミリー別
| ファミリー | 打ち上げ | 成功 | 失敗 | 期間 |
|---|---|---|---|---|
| H-II系(H-II/H-IIA/H-IIB) | 66回 | 64 | 2 | 1994〜2025 |
| ミュー系 | 30回 | 26 | 4 | 1970〜2006 |
| H-I | 9回 | 9 | 0 | 1986〜1992 |
| H3 | 9回 | 7 | 2 | 2023〜2026 |
| N-II | 8回 | 8 | 0 | 1981〜1987 |
| MOMO(弾道) | 7回 | 3 | 4 | 2017〜2021 |
| N-I | 7回 | 6 | 1 | 1975〜1982 |
| イプシロン | 6回 | 5 | 1 | 2013〜2022 |
| ラムダ4S | 5回 | 1 | 4 | 1966〜1970 |
| カイロス | 3回 | 0 | 3 | 2024〜2026 |
H-II系の66回中2回失敗は、世界的に見ても高い水準です。この記録の上にH3が乗っています。
H3の現在地:9回中7回成功
H3は2023年3月の初号機(ALOS-3)で失敗し、そこから6回連続で成功したあと、2025年12月のみちびき5号機でふたたび失敗しました。原因は第2段エンジンの2回目の燃焼が正常に始まらなかったことで、衛星は所定の軌道に入らず失われています(内閣府特命担当大臣の談話・2025年12月25日)。
その次の便である2026年6月のH3-30試験飛行と、8月のみちびき7号機はいずれも成功しています。
つまりH3は「失敗のあと立て直した実績が2回ある機体」です。10月20日のMMXは、その次の1回にあたります。
この集計を何に使うか
このサイトでは、打ち上げの話をするときに感覚ではなく数字を置くようにしています。「日本のロケットは信頼性が高い」と書くなら、何回中何回なのかを一緒に出す。母数が3しかないなら、3しかないと書く。
数字は集計日時点のもので、打ち上げがあれば更新します。集計コードと出典URLは上のとおりなので、同じ数字はどなたでも再現できます。